いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



その声を最後に、パタパタパタと、スリッパの音が響く。



「待て黒崎!!!」



呼び止める声も虚しく、スリッパの音は遠ざかっていった。



やがて静かになる背後。


もういないよね……?

後ろには黒崎くんはいないと確信して、あたしは振り返ってみた。



「……まったく、ああ言えばこう言って……」



そこには頭を抱えた岸本先生。

いつもこんなやり取りを繰り広げいて今日も惨敗した、そんな姿。


……なんだったの?

今の会話……。


最下位……始めはそんな順位に驚いていたけど……。


もっと驚いたのは…………"首席"の二文字。


それは入試が1番だった人に与えられる称号。

入学式でも新入生代表の挨拶をするほど名誉のあること。

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