いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「そういうとこが放っておけなくて、たまんないんだけどな」
「……」
うれしい言葉を掛けられたっていうのに、口下手なあたしはうまく返すことが出来ない。
頬を染めて微笑みかえすだけ。
そんなあたしを優しく見つめる律くんは、クラスの……ううん、校内の人気者といってもいいかもしれない。
生まれつき栗色の柔らかい髪。クリッとした大きな瞳。すっと筋の通った鼻。
そして人懐っこいキャラから生まれるキラキラしたオーラ。
まとめると、律くんはカッコ可愛い、そんな男の子。
それに加え、成績はトップクラスでサッカー部では次のエース候補……とくれば、同級生だけじゃなく、後輩や先輩だって放っておかない。
そんな律くんがどうしてあたしの彼氏なのか、今でも不思議なんだけど……。