いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



黒崎くん、首席で入学したの……?

実際、黒崎くんが入学式で挨拶したのかは覚えてないけど、いくらなんでも1番から320番に順位を落とすなんて考えられないよ。

ていうか、あり得なくない!?




「悪い悪い、待たせたなあ。机にチョコレートがあったと思ったんだか、これで勘弁してくれ」


そこへようやく中島先生が戻ってきた。

どこから調達してきたのか、渡されたのは一粒の飴玉。



「ありがとうございます」



飴玉と引き換えにものすごい話を耳にしちゃったかも。

……そう思いながら教室へ戻るあたしの足取りは、いつにも増して重たかった。


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