いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
秀才、ねぇ……。
事前に首席と聞いていたからこそ納得できるその言葉も。
「へ、へぇー。そんな風に見えないからなんか意外……」
もし今はじめて聞いたのなら、確実に冗談だと疑ったはず。
だって校則破りを絵にかいたような風貌に、人の気持ちなんて丸無視する身勝手な性格。
ほんとに人って見た目じゃわからないなぁ……と思いながら驚いてみせると。
「でしょー?あんな見た目でね。秀才っていうと、真面目で黒縁メガネでもかけてそうなんだけど。
ま、ああ見えても黒崎は一応坊ちゃんなんだよ」
「坊ちゃんて……まっさかあ!」
秀才なのは見た目だけで判断できないにしてもそれはないでしょ、と今度こそ本気で驚く。
「ううん、ほんと。黒崎のお父さん、明應大学病院の医院長でこの学校の理事長もやってんだもん」
「えっ……」
「もともと黒崎のおじいさんが創立した学校だし」
「……!!!」
な、なんですと!
明應高校は明應大学の付属高校。
大学病院まで持っていて、超エリートな生徒は医師の道へ進んで行くんだけど……。
「つまり黒崎は、明應大学病院の大事な跡取り息子ってわけ」
「……!!!」
ということは、黒崎くんもその超エリートコースを歩むの!?
度重なる衝撃に言葉がでない。