いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



……そんな黒崎くんとは。


関わったらとんでもなく面倒なことに巻き込まれるのは確実なのに。

いや。もう巻き込まれてるのに。



それでも。

知りたいと思ってしまったのは、どうしてだろう───



「黒崎くんって、不思議な人だよね……」



同じ中学出身だという万葉ちゃんに、問いかけてしまうのはどうしてだろう……。



「ずいぶん引っ張るねえ、黒崎ネタ」


「えっ……!!!」



ままま、まずいっ!


確かにあたしにしては深入りし過ぎ。

普段、人のウワサ話に興味ないあたしがおかしいよね。



「ほ、ほらっ、今隣でしょ?黒崎くんてしょっちゅうサボったりしてるみたいだし、そういうの信じられなくて……」



冷えた水筒を握りしめたまま取り繕うあたしは今、どんな顔をしてる……?


< 116 / 389 >

この作品をシェア

pagetop