いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「今日も待っててくれるの?」
「うん、待ってる」
律くんがそう聞いてくるから、あたしはコクンとうなずいた。
ここ、私立明應(メイオウ)高校は歴史は浅いけど最新鋭の設備を備えた進学校として有名で、スポーツも盛ん。
サッカー部も、選手権へ出場したことはないものの、なかなかのレベルを誇る。
練習が忙しくて放課後のデートは難しいぶん、一緒に帰りたいから。
「いつも教室でひとりで待ってて、つまんなくない?」
「そんなことないよ。ここからだって練習見えるもん」
ニコリと笑って返すと、律くんも安心したように笑った。
「よかったー。つーか、俺が言うことじゃないよな。そうするように言ってんの俺だし」
"そうする"というのは、教室からサッカー部の練習を見学するってこと。