いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。




「今日も待っててくれるの?」


「うん、待ってる」



律くんがそう聞いてくるから、あたしはコクンとうなずいた。


ここ、私立明應(メイオウ)高校は歴史は浅いけど最新鋭の設備を備えた進学校として有名で、スポーツも盛ん。


サッカー部も、選手権へ出場したことはないものの、なかなかのレベルを誇る。

練習が忙しくて放課後のデートは難しいぶん、一緒に帰りたいから。



「いつも教室でひとりで待ってて、つまんなくない?」


「そんなことないよ。ここからだって練習見えるもん」



ニコリと笑って返すと、律くんも安心したように笑った。



「よかったー。つーか、俺が言うことじゃないよな。そうするように言ってんの俺だし」



"そうする"というのは、教室からサッカー部の練習を見学するってこと。

< 12 / 389 >

この作品をシェア

pagetop