いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「つき合って1年なんだってな。おめでとう」
「……ありがとう」
男の子にお祝いされるなんてちょっと照れくさいけど。
冷やかしじゃなくて純粋に祝福してくれる和久井くんには好感が持てるし、誇らしかった。
女の子たちからはカップルだと認められていない淋しさがあるぶん尚更に。
和久井くんが小声で続ける。
「律が部活休むなんて珍しいからさ。そしたら休み明けにリングしてんじゃん?結構そういうのみんな敏感でさ、冷やかしてやったわ」
律くん、冷やかされちゃったんだ。
でもこういう冷やかしなら、律くんも悪い気はしないよね。
恥ずかしいよりも先行するのは共有したい気持ち。
火照った頬を手のひらで抑えながらあたしも小声で返した。
「その日だったよね、サッカー部でなにか問題起きちゃったの。大丈夫だった?」