いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。

似た者同士



【黒崎side】



「だりぃ……」



呟いて、エレベーターを呼ぶボタンを押した。


やがて開いたドアから小さな箱に身を投じると、ガタンッ……今にも壊れそうな音を立てながら俺を上へと連れて行く。


駅から少し入ったボロいビルの5階にある塾。


大きな広告を出してるわけでもなければカリスマ講師がいるわけでもない。

人のよさそうなハゲのおっさんが経営している小さな個人塾。

そのハゲたおっさん……もとい塾長が、父さんの大学時代の友人だとかで4月から入塾させられた。

これがまたよく喋る口うるさいお節介なおっさん。


火曜と土曜に50分×2コマづつ。

俺には塾なんてこれっぽちも必要ないと思っているが。

頭の良さを熟知していながらも、人からモノを教わるのも勉強だから…なんて、それなら学校をなんだと思ってんだろうな、父さんは。

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