いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
父さんが理事長を務めている明應高校は、教師の人選にもかなりこだわっている。
生徒が優秀ならば、教師たちも厳しい審査をクリアしたエリート集団だ。
そんな奴らよりもここのハゲのおっさんを信頼してるとか、父さんもどうかしてると思うが……。
ガタンッ。
またしても壊れそうに大きく揺れて、エレベーターは5階で停止した。
「おいおい、大丈夫かよ……」
毎回いつ閉じ込められるか気が気じゃねえ。
非常ボタンさえ割れているところを見ると、そうなったら終わりだな。
ふう、とため息を吐きながらカバンを肩に掛け直して塾のドアを開くと、そこに居たのは制服姿の女。
……邪魔。
無言の圧力を掛けてそいつが退くのを待っていたが、その女は動きもせず。