いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「あのっ……」
真っ赤に染めた頬で俺を見上げた。
身長181センチの俺から見下げれば、相当な距離感。
見たことない顔だが、塾生らしい。
まあまあ可愛い顔をしている。
ジッ……と女を見下げていると、そいつは予想通りの言葉を口にした。
「好きですっ……」
……またかよ。
ダルさにさらに拍車がかかり、一瞬天を仰ぐ。
女ってのは、なんも分かっちゃいねえ……。
顔を下ろした瞬間に仮面を被り、口元をゆるめてそいつに顔を近づけた。
「ねえ、君は俺のなにが好きなの?顔?」
優しくした覚えもなければ好かれる何かをしたわけじゃない。
第一、俺はこの女を知りもしない。
それで好きだなんて、顔の他になにがあるっつんだよ。