いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。




『他の部員達に美優を見せたくない』


なんて律くんは言うけど。


ほんとは知ってる。

律くんファンの女の子たちから守ってくれてること。


サッカー部はイケメン揃いで、沢山の女の子がグラウンドで見学している。

あたしはそんな女の子たちから嫌われてるんだ。


理由は簡単。

明るく可愛いわけでもないあたしなんかが律くんの彼女だから。


つき合い始めた当初はあたしもグラウンドで見学していたんだけど、女の子たちからのバッシングや嫉妬の視線に胸を痛める毎日だった。



『あたしが彼女ですって自慢したいわけ?』

『どうしてあの子が律くんの彼女なの?』

『シンデレラにでもなったつもり?』

『まあ、シンデレラは元がイケてないからシンデレラなんだけどねっ。魔法が解けちゃったらただの灰かぶりだし』



言い返せるほどあたしは強くない。

生まれ持った性格だって諦めてる。

それ以前に、身の程はわかってるつもり。


だから律くんの提案で教室で待つようになって、どれだけ気が楽になったことか。


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