いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



***


1コマ目が終わり、10分の休憩に入った。



「随分簡単な問題解いてんだな」


「……!?」



テキストを覗き込んだ俺を、ぎょっとした瞳で凝視する柏木。


警戒されるのは想定内。

学校でも、戦々恐々と俺の隣にいるのは気配で伝わってくる。


あんな風に唇を奪ったんだ。当然か……。


早く俺との会話から逃れたいと思っているであろう彼女に、ひとつ爆弾を落としてみる。



「なあ、聞いてたんだろ?」


「……なに、を……?」


「ごまかしたってムダ」


「……」


「俺が最下位ってこと」



職員室で担任に愚痴られてる最中、目線の先に柏木の後ろ姿があることに俺は気づいていた。


あの距離にいて聞こえてないわけがない。

担任もハッキリ俺の名前を口にしていた。



「……っ、それは……」

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