いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
他の女たちからやっかまれてるくせに傷ついた顔ひとつ見せえねえで。
白鳥の前でニコニコ笑ってなんの悩みも不満もない彼女を演じてる。
本当は白鳥に不釣り合いだと自信がなくて、いつ振られるんじゃないかと怯えてるくせに。
堂々とグラウンドで白鳥を見てるのはよその女。
彼女のコイツは教室に追いやられて。
閉じ込められた空間で甲斐甲斐しく本を読みながら白鳥を待っている。
そんな柏木に反吐が出る。
俺の言ってること間違ってるか?
……間違ってねえだろ。
柏木を見ていてそれが分かるのは……。
……俺がそうだからだ。