いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



父さんの前でいい子を演じて。


表面では傷ついた顔なんて見せず。


嫌われないように必死でしがみついて。


……でも、腹ん中では不安で仕方がない。


どうすれば、兄さんみたいになれるのか。


どうすれば、周りから認められる跡取り候補になれるのか。



どうすれば……

どうすれば……。



「…………っ……」



頭痛がして、目の前がクラクラした。



「どうしたの……大丈夫……?」



柏木が俺に手を伸ばしてくる。



「……っ……!!!」



俺と同類の柏木なんかに心配されたくねえんだよっ……!



「うるせえっ……!」



払った指が、柏木の顔に当たった。


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