いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



「ありがとう、すごく助かっちゃった……」



あたしはそれを受け取り黒板に戻す。



ちょうど6時間目が終わったところ。

これから放課後へと顔を変える学校は、お行儀のいい進学校というよりはつらつとした活気であふれていた。



昨日はいつも通り教室で律くんの部活が終わるのを待って、一緒に帰った。

変わった様子もなくいつも通り明るくて優しい律くんだった。

むしろ、あたしの方がいつも通り居られなかったんじゃないかと心配になるくらい。


浮気をしちゃったかもと気を揉んでいたのはあたしだったはずなのに、律くんに浮気疑惑が浮上するなんて……。



「今日は塾かぁ、一緒に帰れなくて残念だな」



そう言って眉を下げる顔は本当に残念そうで、これがウソだなんて到底思えない。

浮気をしていて、こんな顔できる……?



「うん、あたしも残念……」


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