いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「……っ、」
黒崎くんがいる。
でも辺りを見回しても姿は見えない。
どこにいるんだろうとキョロキョロしていると……。
すぐ近くの机の影から姿を現し、気だるい流し目を注いできた。
……ソファ席で横になっていたみたい……。
「来たってことは疑ってんだな」
「……っ、ちがう。そうじゃないって確かめに来たの」
もう怯んだりしない。
強い口調で言ったのに、黒崎くんは反論したことにいら立ちも見せず逆に満足したようにうなずく。
「ここで、なにが分かるの……」
言われた通りにやってきたのは黒崎くんの思惑通りだったのかも。
失敗したかもしれないと視線を外しながら追及すると。
「ここじゃなにもわからない」
「え?」
その視線をイヤでも引き戻すようなことを言う。
もしかして、またからかわれてる?
眉をひそめたあたしに、黒崎くんは涼しい顔で告げた。
「教室にいたらアンタが学校に残ってるってバレるだろ。見せんのは部活が終わったあとだ」