いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
律くんとは、去年も同じクラスだった。
人を惹きつける力のある律くんは入学当初から目立っていて、いつも周りには人が溢れていた。
キラキラしていて眩しい彼を、目で追ってしまうのは必然。
どうしたら、あんな太陽みたいに笑えるのかな。
律くんと仲良く話している子たちを羨ましく思いつつも、引っ込み思案なあたしは影からそっと見つめるだけ。
あたしなんて、近づけるわけないよね……。
そんなふうに諦めていたある日。
帰るためにグラウンドの脇を歩いていたあたしの足に、サッカーボールが当たった。
ぼうっと歩いていたあたしがいけなかったんだと思う。
それでもなかなかのミドルシュート。
体中が痺れるような痛みに、思わずその場にしゃがみ込むと。
『柏木さん大丈夫!?』
血相を変えて飛んできたのは律くんだった。