いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「……っ、ちょっと、黒崎くん!?」
小さく名前を呼んで彼の腕をゆすると、今度ははっきりと。
叫ぶように、力いっぱい。
「……頑張るからっ……!!!」
その声は、高い天井に反響して跳ね返った。
……え。
するとすぐに黒崎くんは目を開き、一瞬ここがどこだか確認するように見渡した後あたしが掴んだままの腕を振り払い。
ジッ……と探るように、色のない瞳であたしに視線を置く。
「……あ、あの、大丈夫……?うなされてたみたいだけど……」
あまりにも苦しい夢を見ていたんじゃないか…って。
「アンタには関係ない」
ふいっと視線を逸らす黒崎くんは立ち上がって制服の乱れを正したあと、一言「行くぞ」そう言うと、先を歩き出した。