いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



電気がついていない教室は薄暗く不気味。


そんな中、ドアから一番近い席に崩れるように座る。

放心から解き放たれれば、次に襲ってきたのは絶望だった。


あそこでなにしてたの?律くん……。



「……うそでしょっ……うっ……やだっ………も……どうしてっ……」



込み上げてくるものが抑えられなくて、言葉の間に嗚咽が漏れる。

両手で顔を覆いながら流れる涙は肘を伝って下へと落ちた。


目に焼き付いた光景は、頼んでもないのに脳内で再生される。


ふたりの体は密着してた。

律くんの腕は、しっかり小野先生の背中に回ってた。


先生と生徒。

普通ならあり得ない関係なのに。


律くんは小野先生が好きだったの?


"俺には美優だけ"そう言ってくれたのはウソだったの?



「あの2人は冬から続いてる」



ショックなあたしを更に地獄へ突き落す黒崎くんの言葉。

< 159 / 389 >

この作品をシェア

pagetop