いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。


『シンデレラにでもなったつもり?』


いつか言われた心無い言葉を思い出す。


ほんとにそうだった。


シンデレラは、もともと主役じゃない。

陰にいるからシンデレラになるわけで、それはいずれ解ける魔法の力によるもの。


でもあたしは……シンデレラにすらなりきれていなかった。


だって、ほんとは王子様に愛されてなかったんだから。


はじめからプリンセスの小野先生と律くんなら誰も文句は言わないよね。

ただ……現実的に、生徒と先生なのが障害だけど。



……そっか。

先生とは堂々とつき合えないから、ボランティア的な感覚であたしなんかと付き合い続けてカモフラージュしてたのかな。


デートの日に掛かってきた電話もきっと小野先生からで、律くんは小野先生に会いに行ったんだ……。

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