いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



これからあたし、どうしよう……。


律くんを問いただす勇気なんてないよ。

でもこのまま何もなかったように付き合い続けていくなんて絶対に無理。


もう、律くんの前では笑えないかもしれない。

他の女子に嫌味を言われても、律くんの優しさがあったから笑っていられたのに。

その優しささえも偽りだと知った今、もう笑う自信なんて……。



「ううっ……ぐすっ……うううう~……」



心の中は針を刺されたように痛く。

涙なんか枯れなくて、あたしは布団の中で一晩中泣きつづけた。





【ただいま!今学校から帰ったとこ。美優、ちゃんと塾行けた?】

【気を付けて帰れよ!】

【もう寝た?おやすみ】


そんな律くんからのLINEを見たのは、翌朝のことだった。





***



今は3時間目。

教科書を朗読する小野先生の声と表情にうっとりする男子生徒が続出中。



……最悪。


こんな日に小野先生の授業があるなんて。

< 166 / 389 >

この作品をシェア

pagetop