いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
一晩泣き続けても顔がむくんだり目が腫れてることはなく、それは助かった。
けどメンタルの部分ではより一層ダメージが広がっていて、その影響から来る顔色の悪さを万葉ちゃんにも心配された。
ちょっと寝不足なんだ、ってごまかしておいた。
教卓のすぐ前が律くんの席。
いつもはその背中を眺めるのが幸せなのに、同時に視界に入る小野先生の姿に胸が張り裂けそうになる。
清潔感溢れるワンピースに、控えめだけど綺麗にお化粧もされていて。
肌によくに馴染んだピンク色の口紅をつけた唇からは反射的に目を逸らした。
大人の色気たっぷりな小野先生。
こういう完璧な女性が、律くんみたいな人に選ばれるんだ……。
身の程を思い知る。