いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



「この問題は、後で前に出て解いてもらいます」



チョークを持った細い指先が、黒板の上にキレイな筆記体を走らせる。


所どころが下線になっている穴埋め問題。

みんな一斉に板書をノートに写していく。


はぁ……今日は授業に集中できないや……


いつもなら簡単に出てくる文法が全く浮かんでこない。

この問題は捨てた、と諦めていると。



「では、1番を和久井くん、2番を柏木さん、3番を黒崎くん」



えっ……


にこやかな笑顔で、小野先生がこっちに視線を投げていた。



あたし!?


……どうやら、横並びにここの3人が当たっちゃったみたい。


こんな日に当たるなんてついてないな。



「よっし!この間のリベンジだ!」



気が重いあたしとは反対に、当てられた和久井くんはうれしそう。

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