いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「なるほど……」
「ストレス社会なのは子供も同じなのかしらね。そうだ、すこし席外していい?私職員室に行きたいの」
「分かりました。次の授業もないので、ゆっくり行かれて大丈夫ですよ」
「ありがとう。じゃあ頼んだわね」
保健の先生が出て行ってしまい、小野先生だけが残る。
担当している授業で倒れたから気になって見に来たのかもしれなけど、これじゃああたしだって出ていけない。
小野先生と面と向かって顔を合わせるなんて無理だもん……。
どうしようかとベッドの上で頭を悩ませていると、パンプスの音がだんだん近づいてきた。
えっ……
「柏木さん」
カーテン越しに、小さく名前を呼ばれる。
やだ、なんで!?
咄嗟にベッドに体を倒し、布団を掛けて丸まった。
どうしてこっちに来るの?
バクバクバク……と、激しく心臓が鳴る。
小野先生となんて、冷静に会話する自信がない。