いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



だって、小野先生は律くんとあたしがつき合ってることを知ってる?

律くんはあたしをどんなふうに話してる?

早く別れたいんだよ……なんて悪口言ってるの……?


そんな小野先生となんて顔を合わせられない……もう戻ってください……。


返事をしなければ、眠っているからと遠慮してくれると思ったのに。



「……具合、どう?」



優しい声と一緒にカーテンが開いた。



…………!!!



「……疲れがたまっているのかしら」



彼氏の浮気相手に心配されてる……。


そう思うとみじめになった。


目を瞑ったその奥から、ジワリと溢れてくるのは涙。

昨日家でいっぱい泣いて、もう学校で泣くつもりなんてなかったのに。

涙でシーツが濡れていく。


声だけは漏れないように気をつけながら、抑えられない涙を流していると。



「───美優っ!!」



外れるんじゃないかと思う音を立ててカーテンが開いた。



……っ、


この声は

律くんっ!?!?


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