いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「ほんとにいいってのに……」
ちょっと嫌がる律くんの声がだんだんと遠ざかる。
小野先生に手でも引かれたのかな。
今度は少し遠くに離れたところから、備品をあさる音が聞こえてくる。
むくり、と起き上がったあたし。
もう、やだ。
カーテンで遮断されたその向こうをジッと見つめるあたしは、もう無の状態。
やめればいいのにベッドから降りて。
少しだけカーテンを開けば、目の前に映るのは簡易ベッドに足を投げ出して座らされた律くんと、愛おしそうに足に触れて湿布を貼る小野先生の姿。
どう見たって、恋人同士。
ズシン……。
心の鉛が増えていく音が聞こえた気がした。
決定的場面を見た翌日に、これはキツイよ……。
そして。手当を終えた小野先生が律くんにゆっくり顔を近づけて。
……あたしはそっと、カーテンを閉めた。