いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



結局あたしは戻るタイミングを失って、4時間目も保健室で過ごした。


あれからすぐ律くんは教室へ戻り、小野先生も保健の先生が戻ってきたらすぐに出て行った。

あたしをここまで運んできたのは男の子だと教えてくれた。


……律くんだよね。


クラスでそんな役目を請け負えるのは、あたしの彼女っていう肩書きの律くんだけだもん。

だから休み時間にも"彼氏"として様子を見に来たんだ。

昨日までのあたしなら舞い上がっちゃうとこだけど、むしろ記憶がなくて良かったのかな……。


気分は最悪のまま教室に戻ると、万葉ちゃんが駆け寄ってきた。



「大丈夫!?今様子を見に行こうと思ってたとこだったの!」


「うん。もう大丈夫だよ」


「良かったー、心配したんだから~」


「ありがとう。ちょっと寝不足だっただけ」

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