いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



確かに一番前の席だし、咄嗟に手を出せば間に合うかもね。


うれしいような複雑な胸中でいると、万葉ちゃんがとんでもないことを言った。



「ちがうよちがう、律じゃなくて、美優を受け止めたのは黒崎だって!!」


「…………へ?」



黒崎くん?



「隣で問題解いてたじゃない?美優が倒れたのをすぐに察知して、受け止めてお姫様抱っこしてそのまま保健室に連れていったんだから!」



な、なんですと!?

あたし、黒崎くんに保健室に連れて行かれたの……?

しかもお姫様抱っこって……。



「普段誰も黒崎になんて目もくれないクセに、よっぽどその姿がカッコ良かったんだろうねー。女子みんなぽーっとしちゃってさー。うん、確かにカッコよかったかも」



万葉ちゃんは珍しく目をキラキラさせながらその時の様子を詳しく話してくれるけど、まったく想像できない。



「で、すかさず律が参戦したの。『後は俺が』って」



……え?


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