いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
もう同じことをなんども考えるのはやめた。
……文句?
そんなものない。
こんなあたしに一瞬でも夢を見させてくれたこと、感謝してるんだから。
ふと、人の気配がして教室内に目を戻せば。
少し気怠そうな黒崎くんが教室に入ってきた。
まるで、キスをされたあの日のように。
でも、違うのは。
「どうし……たの?」
まったくの他人じゃなくなったこと。
こんな風に言葉を交わせる間柄になっている。
……そして。
どうしてか、どきどきする。
気付かないふりをしたくても、いつからか心の中に居座ったモヤが今でも……。
これがなんなのかなんて……知りたくない。