いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
ただでさえ釣り合わないあたしと律くん。
律くんに釣り合う彼女になるように、必死にがんばってるのに。
そんなあたしが他の男の子とキスしちゃっただなんて……。
これって、浮気になる……?
律くんが知ったら……きっとあたしに幻滅する。
……どうしよう……。
「美優ー、お待たせー!!」
――バンッ!
教室の扉が勢いよく開いた。
ハッと我に返れば教室内はすっかり茜色で、部活終了時間を迎えていたことを知る。
「あれっ?どうしたの?」
カーテンの下にしゃがみ込むあたしに、律くんは首を傾げながら近づいてきた。
「に、西日が暑かったら、ここで本を読んでたの」
とっさに嘘をつく。
「目、悪くなるよ?」