いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
聞きたくもないとでも言うように少し大きめな言葉を被せた黒崎くんに、あたしは顔をしかめた。
わかってるよ。
自分に自信がなくてうじうじしてること。
端から見たら、イライラするんだろうなってことも。
でも、マイナス要素を正当化してでも補えないくらいの劣等感に押しつぶされないようにするには、そう思っていた方が楽なの。
黒崎くんにはわからないだろうね。
「じゃあ、そう思いながら付き合ってるアンタが厚かましいってわけか」
「……」
「それなら向こうだって窮屈で浮気のひとつもしたくなるだろうな」
「……」
「つーか、アンタって彼女ってより、いっつも飼い主の様子ばっかりうかがってご機嫌取りしてる犬みてえなんだけど」
「……っ、」
「忠犬ってヤツ?」
……ちょ、忠犬って……!?
あたしの中でなにかがぷつんと切れた。