いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
明應高校の生徒はいい大学に入るためにひとつでも順位を上げようと頑張ってる。
それなのに、黒崎くんは。
「必要とされてるだけでうれしい……それに必死でしがみつこうとしてなにが悪いの?あたしが我慢するだけでそれが保てるなら喜んで我慢するし、そんなの全然苦じゃない。
黒崎くんみたいに器用に生きてる人になんか……絶対にわからないっ!」
人の気持ちをもてあそんでばっかり。
成績を操作したり、あたしにキスしたり……。
恵まれて育ったくせになにが不満なの?
贅沢すぎるしほんと、自分勝手な人。
涙が溢れてきた。
はじめて誰かに本音をぶつけたことで、自分の中の劣等感が余計に頭角を現して。
「……っ……ひっく……っ……」
こんな自分が嫌いだと、心のなかが叫ぶように……。
……と、滲んだ目の前の視界が陰で覆われた。
涙に濡れた顔をあげて……気づいたときにはもう遅かった。