いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



……!!

それはさすがに黒崎くんもまずいんじゃ……



「望むとこですよ、小野先生」



えっと……随分強気だなぁ黒崎くん。

いや、この場合強気なのは小野先生……?



「黒崎くん、遊びじゃないの」


「遊び?こっちは十分真面目ですよ」


「私だって真面目に言ってるのよ」



もう売り言葉に買い言葉。

まるで子供のケンカの様な言い合いに、再びその様子を覗くと。


ふたりは物々しい態度で対峙していた。


背が高いだけで威圧感たっぷりの黒崎くんを、小野先生はしっかり見据えて。


律くんの前で甘えた声を出していた人とは思えないくらい凛としている。

これが生徒たちが知っている本来の小野先生の姿。



「言えるものなら言ってください。でも、小野先生に言えます?」


「……」



小野先生が黙り込む。


ちょっと、脅すつもり?

まさか、生徒と付き合ってるっていう弱みをネタにして!?


やめなよ、黒崎くん。

それをやったら、ほんとの悪人になっちゃう。


あたしに見せたのはいいとして、学校にばらすとかはダメ。

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