いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
律くんも知ってるのかな。
小野先生に関わる"なにか"を……。
あんなに親しいんだから、知ってるよね……。
どうしよう。
こんな気持ちのままじゃ、律くんに別れ話なんて切り出せないよ。
もっと心穏やかに告げたかったのに……。
「美優最近ちょっと変。なにかあった?」
妖艶だった瞳が影を帯びる。
「……っ!」
黒崎くんにキスされてから、まともに律くんの目が見れなくなってた。
律くんの浮気を知ってからはもっと。
あたしがいくら平静を装ってたとしても、様子がおかしいのは見抜かれてたよね……。
それでもあたしは必死にごまかす。
「……な、なにもないよ……」
……どうか気づかれませんように。
今度こそ、律くんの目をジッと見つめる。
律くんとこんな風に目を合わせたのは久しぶりかもしれない……。
「ウソ。なんか隠してる」