いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



昨日まではなかったよね?

視線を首元で止めていると、万葉ちゃんが途端に頬を染めて、



「マサキがね、くれたの。あたし達、昨日3周年だったんだ」



こそっと耳打ちしてきた。



「そうだったの!?おめでとう、って、え?じゃあ」


「うんっ、おそろなの。マサキもコレとおんなじのつけてる」


「わああ~、そうなんだぁ」



先端をつまんで小さく掲げるその顔はすっごくうれしそうで。

いつもサバサバした万葉ちゃんの乙女な仕草にあたしがきゅんとする。


おそろに憧れていた万葉ちゃん。

それを知っていてここぞという時に用意したマサキくんに、株をあげたなぁとニヤニヤする。



「いつも美優のリング見て羨ましいって思ってたからさあ」



愛おしそうにネックレスに目を落とす傍らで、あたしは胸がズキンと痛んだ。

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