いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「そ、そっかぁ……」
お手本みたいに言われると余計に。
だって、これにはふたりを繋ぐ"証"なんてそもそもなかったんだから。
最初の頃は手を洗う時に少し気になったけど、今はお風呂に入るときだって外さないし、もう体の一部みたいになっているペアリング。
律くんも、ずっとつけてくれている。
改めて、リングに目を落として罪悪感に襲われた。
「なんかさ~、これつけてるだけで愛されてるって気がしてきた!」
どこまでもポジティブな万葉ちゃんにとって、それは"証"というより魔法のようなものなのかもしれない。
「やっぱりさ、女の子は愛されてる人の側にいるのが一番幸せだよねっ」
まるで付き合いたてみたいに初々しく頬を染める万葉ちゃんは、昨日までよりもマサキくんへの愛が大きくなってる気がする。
「うちら、この先もきっと安泰だよね!」
おそろという"武器"を手に入れただけで自信が持てる不思議な魔法……。
万葉ちゃんが幸せなのはうれしいし、その幸せに水なんか差したくない。