いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



……なにやってんだ?


咀嚼途中だったじゃがいもが、口の中で溶けていく。



「……おい。どうしてアンタがここにいるんだよ」



それをゴクリと飲み込んでそう声を発せたのは、柏木が水を一口のんだ後だった。



「外から見えたの」



窓の外を指さす柏木。

外からも、中の様子はよく見えるらしいが。



「だからって、普通入って来ねえだろ」



ダチでもねえのに。


理屈の通らない言いわけに、柏木はさらりと答える。



「だって、ファミレスにひとりって淋しくない?」


「……」



淋しそうに見えたのか?


コンビニ飯を家でひとりで食うのは淋しいと思っていた。

これだけの人の中に紛れていれば、淋しさなんてないと思っていたが、その中でひとりきりで飯を食う俺は淋しく映ってんのか?

……心外だ。



「……家では……食べないの?」



その聞き方に疑問を覚えた。

誰だって、外で済ませる日くらいあるだろう。

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