いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



ぶっきら棒に放って、残りの肉じゃがにがっついた。






「二名様お帰りでーす」



食い終って、柏木と一緒に店を出る。



"二名様"

その響きに、自然と頬が緩む自分が居た。




「じゃあ、あたしバスだから」


「ああ」


「おやすみなさい、黒崎くん」


「……」


「ん?」


「いや、……おやすみ……」



柏木はバス停へ。

俺は徒歩で自宅方面へ。



おやすみ、か。

そんな挨拶を誰かと交わしたのは、いつが最後だっただろう……。


柏木がバスに乗り込むのを確認してから、俺は歩き出した。


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