いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
ピーッ。
やがて試合終了を告げるホイッスルが鳴り、あたしたちはコートから離れた。
「あーあ。美優の腕真っ赤」
白い腕にくっきりと残る赤い跡。
熱を持つそこに、万葉ちゃんがフーフーと息を吹きかけてくれる。
本当は冷やしたいけどそんな都合のいい物はただの授業で用意されてるわけもなく。
「これでも腕が出ただけ良かったかな」
苦笑いしながら手のひらで扇いでみる。
「だねー。顔に当たってたら鼻血だけじゃすまなかったかもだもん。あの子最強アタッカーだから」
うわっ、恐ろしい……。
それにしてもひどいよ、これ。
明日には青あざ決定だな。
コート内では次のチームが試合をはじめている。
バレー部の子はいなくて、さっきとは違いきゃぴきゃぴ言いながら緩い感じで進む試合。
それを眺めようと、壁に背をつけ体育座りをすると。
同じように体育座りしている女子たちの視線がコートじゃない方を向いているのに気付いた。
どの顔も、ちょっと興奮気味。