いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



……ん?



「もー、超かっこいいよねーーーー!!!」

「バスケもうまいなんて完璧じゃん」



そこでは男子がバスケをしていて……律くんが試合の真っ最中だった。


そのドリブルさばきはまるでバスケ部のよう。

パスも正確で、ゴール手前でボールを受け取ると軽やかにジャンプしシュートを決めた。




「きゃあーーーーーー!!!」

「律ナイッシューーーーー!!!」



歓声と拍手に包まれる体育館。


わあ、すごいなぁ……。

サッカーだけじゃなくてバスケも得意なんて。

きっとなにをやらせても出来ちゃうんだろうな。

ほんと完璧な人。



「男子のバスケって見てて燃えるよねっ!」


体育会系の血が騒ぐのか、万葉ちゃんもバレーそっちのけでバスケに目を向けていた。


「うん、すごく面白い」


あたしも手に汗握って試合を眺めている……と。

コート内で、頭ひとつぶん飛びぬけて存在感を放つ人に気づく。



───ドクンッ……


……黒崎くんだ。


青いゼッケンをつけていて律くんとは敵みたい。

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