いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
浮気の線引き
「黒崎ー」
朝の教室に、担任の岸本(キシモト)先生の声が響く。
その名前に、あたしの神経は過敏に反応した。
これはあたしを昨日ほぼ一睡もさせなかった名前……。
どこに黒崎くんの席があるんだろう……?
座っている一番後ろの席から岸本先生の視線を追うと。
そこはあたしと列を挟んだ隣の席だった。
えっ……こんなに近く?
まさかの配置に驚く。そしてそこは空席で。
「なんだ、またサボりか」
岸本先生は諦めたように言うと、HRの続きを始めた。
"またサボり"と担任がそう言って諦めるくらい、黒崎くんのサボりは常習なの?
黒崎くんて問題児?
でも、あんな風貌だったしあんなことする人だしなぁ……と、あたしはひとり納得する。