いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



『浮気した白鳥が悪いに決まってる』



今まであたしを罵ってた黒崎くんが、はじめてあたし寄りの意見を言った昨日は驚いた。

言い方にもどこか憎悪を含んでいて、やっぱり律くんに対してなんらかの特別感情があると思わせた。


少なくとも黒崎くんは律くんを意識してるのは分かる。

じゃあ……律くんはどうして意識するの?



「律は黒崎に負けらんないよねー」


「どうして?」



万葉ちゃんは何かを分かっているらしく、尋ねると。



「美優をかっさらわれたしね」



ニヤニヤしながら肘であたしをつつく。



「…………っ!!!」



かっさらう、なんて今のあたしにはさらに火を注ぐようなセリフに、その通りジッとしてられないくらいの熱さを覚えたとき。


───キュッ……ダンッ!!!!!!

激しくシューズがこすれる音がした直後、ものすごい大きな音が体育館中に響いた。



「きゃあああああっーーーー!!!

「いやーーーーっ!!」



女子の悲鳴も。

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