いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「バレーですごいアタックを浴びたの……」
「まじかよっ。そうだ、俺湿布余計にもらったんだ。美優も貼っておくといいよ」
「えっ……ちょっ……」
律くんは教室で湿布の袋を開け、躊躇するあたしの腕を掴んで貼ろうとする。
ここでっ……!?
みんな見てるし恥ずかしいのにっ……
そんなあたしの気持ちに構うことなく腕の上に湿布が乗ったとき。
「……っと……」
律くんがよろけて湿布がクシャっと依れた。
その原因は、横を通過した人が律くんにぶつかったからみたい。
「……んだよ……」
謝りもせずに去っていくその人を、律くんが睨みつけながら低く声を落とす。
振り返って見えたのは……黒崎くんの背中。
「……」
バスケの試合でのことをまだお互いに根に持っている……そんな空気が漂っていた。
「これでよし、と」
「ありがとう」
湿布の上に優しく手を乗せたまま、律くんの唇が遠慮がちに開く。