いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



「あのさ、今日の放課後……部活が終わるの待っててもらえないかな……」


「……え?」



今日は塾のない日。

だから「今日は待っててくれる?」って聞いて来るのが普通だけど。


"待っててくれないかな"、なんて言い方をされたのははじめて。


一昨日の様子から、もうあたしは待たないと思ったのかな……。



「話したいことが、あるんだ」



……胸の奥がざわめく。



「話したい、こと……?」


「ああ。すごく大切なこと」


「……」



目を真っ直ぐに見つめられ、体中に緊張が走った。


いよいよ言われるんだ。

"別れよう"って……。


来るべきときが来たんだね。


「大丈夫だよ……待ってるね……」


そう告げるあたしの口調は、自分でも驚くほど冷静だった。

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