いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
まだあたしの頭の線がバラバラな最中、黒崎くんは拳を机に叩きつけた。
───ダンッ……!!!
「そのくせ、ぬけぬけとここの教師になって生徒までたぶらかしてる。んなの狂ってるとしか思えねえだろっ……!!!」
空気を切り裂くような音が響き。
その拳は怒りと比例するように震えていた。
……もっと大きい感情が、黒崎くんの中にあった。
お兄さんへの悲しみよりも。
お父さんへの苛立ちよりも。
自分自身への後悔よりも。
そのどれをも超えてしまう感情が。
亡くなったお兄さんの彼女が小野先生で、小野先生のせいでお兄さんが亡くなって、小野先生がたぶらかしているのが律くん……。
聞いた言葉がようやく整理できた。
だから、黒崎くんは。
「……そう、か……」