いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
……利用?
「俺とキスでもすれば、気に病んで白鳥と別れる選択すんじゃねえかって」
「……っ」
「バレないと思って二股続けてる白鳥の顔に、氷水をぶっかけてやりたかった」
律くんを戒めるために、あたしに浮気まがいのことを……?
「ほんとはさ、甘い言葉でそそのかしてアンタを俺に落とさせりゃ手っ取り早かったんだけど」
ズキンッ……。
あたしを落とす。
まるであたしの心をゲームみたいに操ろうとしていた本音に、胸にトゲが突き刺さる。
「アンタすげえ警戒してるし、その性格上、気持ち持ってこさせるなんて無理に決まってるよな」
ドクンッ……。
でも……その気持ちが持って行かれてるなんて……言えない。
まんまと引っかかりました……なんて言えっこない。
「……ま、つーことで、罪もねえアンタに迷惑掛けたのは謝っとく。キスなんかして悪───」
「黒崎くん……っ」
気付いたら、抱きしめていた。
あたしよりもずっと大きい黒崎くんの体を。