いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
入学してしばらくは特別仲がいい子は出来なかった。
そんな時、体育の授業でペアを作るのにどうしようか困っていたところに「あたしとやろう!」そう声を掛けてくれたのが万葉ちゃん。
サバサバしていてあたしとは真逆の性格なんだけど。
女子特有のウワサ話や団体行動が嫌いなところは似ていて、一緒にいてすごく居心地がいいんだ。
「そういえばさ、あれ決まったの?」
しばらく黙々と食べ続けた後、満たされたのか落ち着いた万葉ちゃんが聞いてくる。
万葉ちゃんを眺めていたあたしは、まだお弁当箱すら開けてないや……。
「あれって?」
包みの結び目に手をかけたままの状態で、主語のない話に首を傾げる。
「ほらー、1周年記念のおそろの品だよー」