いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



律くんの気持ちは、ウソ偽りなくあたしに向けられていたのに。

あたしは信じることができず、気持ちを塗り替えてしまった。


……どうしよう。



「それで……か……」



ひとり納得したように呟くそれは、きっと黒崎くんのこと。

律くんは律くんで、あたしと黒崎くんの関係に気を揉んでいたようだ。



「黒崎に色々吹き込まれてたんだな」



それは正解だけど、ちがう気もする。

キッカケは律くんと小野先生のことだったかもしれないけど、それ以上に深く関わりたいと思ったのはあたしだから。



律くんが優しく手を握る。



「俺の方こそ、疑ってごめんな?」


「…………ううん」



罪悪感が体中を支配する。


浮気をしたのはあたしだけだった。

律くんはただ……優しいだけだった。

あたしはずっと、愛されていた。


そもそもは、黒崎くんにキスをされたときに、フラれるのを恐れて相談出来なかったあたしが間違ってたんだ。


自分の気持ちを言葉にして言えなかったせいで、すべてはこうなった。


あたしは……。

取り返しのつかないことをしちゃったのかもしれない。



「俺にはずっと、美優だけだよ……」



甘く囁かれるその声を耳に。

あたしはひとり、途方に暮れていた。

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