いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
もともとは、律くんの浮気騒動がことのはじまり。
でもすべては誤解だったんだから。
またこうやって少しずつ……ううん、また一から始めればいいんだ。
黒崎くんと関わる前のあたしに戻って。
黒崎くんへ芽生えた想いには……蓋をすればいいだけ。
きっとすぐに色褪せるこの想いは、誰にも気づかれないうちにそっと葬って、今までどおりに。
「すっごいうまかった!!ありがとう、ごちそうさま!」
「わあ……綺麗に食べてくれたんだね。こちらこそどういたしまして」
律くんは米粒一つ残さず完食してくれた。
それを見て、素直にうれしいと感じる。
あたしはまだカレーパンの半分も食べ終わってない。
男の子は食べるのが早いなぁ。
「あ……こんな小さいお弁当じゃおなか空くよね。あたしこんなに食べられないからあとは律くんが食べて?」
男の子にはどう見ても小さいお弁当箱に今更気づき、まだパンがふたつ入っている袋を返した。
「ん、じゃもらう」