いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



跳ねたのは……痛みのせい。

今のあたしの心の中には、律くんの想いを受け止められるスペースが残ってなくて。

その想いが心の壁にぶち当たって痛いと叫ぶんだ。



「俺のせいで余計な心配かけたけど、これからは絶対に不安になんてさせないから」


「……律くん……」



真剣に伝えてくれる律くんの瞳には、一点の曇りも見当たらない。


なのに、今でもモヤに覆われたあたしの心。

くすぶっているこの想いは、追い出そうとしても出て行ってくれない。


努力でそれが出来ないなら。

ひたすらこの想いを隠し続けて……なくなるのを願うだけ。

消えてくれるのを願うだけ。


心の中がクリアになって、律くんの想いを受けとめられる日が早く来るように……。



「なにがあっても俺が美優を守る。

……なんて、ちょっとキザだったかなっ、あはっ」



そう言って太陽みたいな笑顔を見せた。


この笑顔を……裏切りたくない。

そう、強く思う。

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